●七不思議 


本所七不思議(東京都墨田区)
1.無灯蕎麦
誰もいない屋台の蕎麦屋
2.送り拍子木
ならす人がいないのに鳴る
3.片葉の葦
殺した女性の呪いで池の葦が片葉となった
4.足洗い邸
夜間、天井より泥だらけの大足がにゅうっと出る
5.送り提灯
夜道を歩いていると、提灯が現れ送ってくれる
6.置行堀
魚を釣って帰ろうとすると「おいていけ〜」
7.狸囃子
近所で誰もやっていないのにお囃子が聞こえる

上記は、有名な本所の七不思議。
資料によっては、いくつか違いがあるようですね。
でも、こうした七不思議って全国各地にあるんだねぇ。
古いもの、新しいもの、それぞれご当地の七不思議を持っている。
学校なんかにも七不思議が伝わっているなんてところもある。

いくつか、紹介しましょう。
千葉の七不思議
1.八幡の藪知らず
一度入ると出られない藪。将門の怨念とも、
水戸黄門が妖怪を封印したとも伝わる(市川市)
2.弘法の井戸
弘法大師が、杖をついてわき出た井戸(館山市)
3.巨人の足跡
巨人が太平洋で洗顔したときのもの(茂原市)
4.香取の要石
香取神社境内にある。地震を起こすナマズを
押さえつけている石(佐原市)
5.酒飲み石
酒が石にしみこむと御利益がある(香取郡)
6.爪かき地蔵
汗かき地蔵もある。災害を予知する(八日市場市)
7.飛血山
刑場跡。怪異がある(流山市)

鎌倉の七不思議
1.やぐら
洞窟納骨所。市内のいたるところにある
2.頼朝の墓
大倉山中腹にある
3.弁天像
鶴丘八幡と、江ノ島の裸弁天は瓜二つ
4.長谷観音
実は大和の長谷寺の観音像と一木二体の双子
5.建長寺の狸
古狸が僧に化け、寄付を集めた
6.覚園寺の黒地蔵
人の身代わりになって火傷した。
別名、火傷地蔵
7.頬焼阿弥陀
無実の僧の身代わりになり左頬に焼き印。
光触寺の本尊

喜多院の七不思議(埼玉県川越市)
1.山内禁鈴
喜多院の山内で鈴を鳴らすと竜が現れる
2.明星の池
池より光が立ち上り、老杉の上で明星となった
3.潮音殿
殿内に入ると、潮の音(江戸湾?)が聞こえる
4.三位稲荷
天狗になり損ね墜落した人を祀っている
5.琵琶橋
琵琶法師が小川に琵琶を置くと橋になった
6.日枝神社の底なし穴
底知れぬ穴が神社前にある
何かを投げ込むと、弁天の池に浮かぶ
7.お化け杉
遠くから見ると松に見える杉
切ると血が流れ出る



でも、なんで「7」なんだろう。
「5」や「8」でもいいじゃない!
七不思議という言葉は、
もとはアレクサンダーの東方遠征(334年)以後、
ギリシア人旅行者にとって評判となった観光の対象
「7つの建築物」がきっかけで誕生した言葉なんだそうだけど・・・
江戸の人々がギリシャ人を知っていたのだろうか?

そういえば、江戸時代に大流行した七福神も「7」だし、
竹林には七賢人ががんばってるし、ウルトラセブンなんていうのもいたなぁ。

なんでこんなに「7」に拘るのか?
考えられることは、昔から知られていた惑星に太陽と月を入れた数が7つ。
「日月火水木金土」・・・七曜。
こうしたところに、「7」という数字を神聖視する風がうまれたのかも。


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