B_稲生物怪録(柏生甫)



稲生物怪録(いのうもののけろく、いのうぶっかいろく)とは、
江戸時代中期の寛延二年(西暦1749年)に、
備後三次藩(現在の広島県三次市)藩士の
稲生武太夫(幼名・平太郎)が体験したという
妖怪にまつわる怪異をとりまとめた物語。

筆者は柏生甫であり、当時16歳であった実在の三次藩士、
稲生平太郎が寛延二年の七月の一ヶ月もの間、
体験したという怪異をそのまま筆記したと伝えられている。

あらすじは、
肝試しにより妖怪の怒りをかった平太郎の屋敷に
さまざまな化け物が30日間連続出没するが、
平太郎はこれをことごとく退け、
最後には魔王のひとり山本五郎左衛門から
勇気を称えられ木槌を与えられるというものである。

平太郎の子孫は現在も広島市に在住、前述の木槌も実在し、
『稲生物怪録』の原本も当家に伝えられているとされる。

現在は、三次市教育委員会が預かり歴史民族資料館にて管理している。


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